臨床で良く見られる
脳卒中片麻痺の歩行時のホイップ現象を,個人の理解で解説していきます.
臨床の視点を得れると幸いです♪
脳卒中片麻痺 歩行時のホイップとは?
脳卒中片麻痺患者様の歩行時
特に装具を着用している場合
IC(イニシャルコンタクト)時に足尖が外側or内側に回ることがあります.
これがいわゆるホイップという現象です.
患者様からは
「 つま先が外を向くのよね. 」
と言われるため修正が必要になる場合があります.
ホイップの原因は?
IC時に股関節の外旋が起こることを考えます.
すると
股関節内旋筋の活動が弱化していること
をまず考えると良いと思います.
股関節内旋筋は
- 小殿筋(前部繊維)
- 中殿筋(前部繊維)
- 大腿筋膜張筋
- 長内転筋
- 短内転筋
- 恥骨筋
- 半腱様筋
- 半膜様筋
になります.
しかしながら
これらすべて補助筋です.主動作筋は無い.
とされています.
これが結構股関節の外旋問題を難しくしていると考えます.
骨盤のアライメントを考える
上記の問題を解決するために
骨盤の位置を考えます.
良く見られるのが
骨盤が後退して,後方回旋する
つまり
股関節屈曲位となる
ことだと思います.
そうすると
骨盤が開き(アウトフレアする)より股関節が外旋位を取ることに繋がります.
なので
骨盤を回旋させないこと,股関節伸展位を保つことが重要
となります.
重心の位置はどうなっているか
上記現象を考えていくと
重心の位置は
ICからMstにかけて後方に位置する
ことになります.
そうすると
踵が接地してから後方重心のためにホイップする
ということが良く見られます.
なので
より前方へ重心移動をスムーズにする必要があります.
非麻痺側の股関節の使い方がどうなっているか
もう一つ重要な点は
非麻痺側の股関節の使い方
です.
股関節内転・外旋位で使っていることが多いと思います.
特に股関節内転筋の緊張が高く,外旋位となっている場合
臥位で非麻痺側を動かした場合に
・外転方向に動かない
・キッキング時に内転方向に蹴りやすい
・寝返りで完全側臥位になりづらく,半側臥位で抵抗が強くなる
などが見られます.
非麻痺側がうまく使えないという視点も重要になります.
装具の角度は適切か?
装具の背屈角度がつきすぎていると
ホイップ現象が見られことがあります.
背屈角度が強い場合ICからMst(足底接地まで)に時間を要すため
足尖が外側に向いてしまうことが見られます.
改善方法を考察する
ホイップを修正するためには
- 内旋筋を強化する
- 重心の位置を前方にする
- 非麻痺側の使い方を考える
- 装具の背屈角度を見直す
などがあげられると考えます.
特に
前足部への荷重が可能になるようにリハビリをすすめるようにすることが大事
と考えます.
何かご質問,ご意見などあればお問い合わせ,もしくはTwitterからよろしくお願いします.
最後までお読みいただきありがとうございました♡
コメント