注意障害と半側空間無視に対するリハビリ戦略

リハビリについて
この記事は約4分で読めます。

脳卒中の注意障害に対する考え方をお伝えしていきます.

注意とは?

注意の定義

「意識の焦点化と集中」と定義できます.

注意障害とは意識の焦点化と集中ができない状態といえます.

注意の種類

さらに注意には

  • 受動的注意
  • 能動的注意

の二つに分けられます.

例えば

【ささささささちささささちさささちささささちさささささちささ】

上記の

赤色のはの受動的注意になります.

では,からを探してくださいとなれば能動的注意となります.

これが脳卒中にて障害されると日常生活活動で大きな支障が出て

大きな弊害になることは間違いありませんね.

他にも

  • 顕在的注意:視線を向けて注意をすること
  • 潜在的注意:視線を向けずに注意をすること

とあります.

普段は顕在的注意が占める割合が多いものの

空気を読む

的な

空間的にここに何があってと無意識的に空間を理解して

なんとなーく注意が向けられる

そんな能力の欠如もリハビリを難しくさせていると思います.

注意のシステム

注意のシステムは非常に複雑ですので

ここでは詳しくは述べません.述べれません.すみません.

大事な要素として

視覚的方向定位システム

が上がります.

簡単にいうと

視線を目標物に向ける注意システムです.

一概には言えませんが

頭頂葉に病変を持つ場合

右側から左側へ注意を向ける際,言語教示で注意を向けることが可能な場合が多いです.

これは頭頂葉の機能が障害されると

視覚的に注意の焦点を変えられない(固定的である)

という特性からきています.

どゆこと?

つまり

頭頂葉が注意の切り替えの合図をしているので

私たちが合図を出せば

理解してもらえることが多いのです.

しかしながら

これに前頭葉症状が加わると

言ってもわからない・伝わらない

👇

言ってることに注意が向かない

👇

記憶が定着しない

👇

運動学習が進まない

という悪循環に陥りやすいです.大変です.

いわゆる

注意の変換・転動

分配性注意

が大事な機能を果たしていることが理解できると思います.

半側空間無視を考える

その主な損傷中枢は「頭頂連合野」です.

行為をどのように実行するか

空間認知を患者様に提供する

そして

頭頂連合野の大きな機能である

身体イメージ

身体図式

へとつながっていくのであります.

そこで治療戦略をどうするか

治療はどう進めるがよいか.

特に前頭葉症状が少ない場合

歩くことが有効と言えると思います.

いやいや歩かれませんがな

といった場合は

麻痺側を能動的に使用してもらう

のが良いです.

実にシンプルですが・・・

例えば

多くの場合

臥位の状態で緊張が高く,非麻痺側を支持面に押し付けています.

これでは

麻痺側は支持基底面を作っているとはいいがたいです.

ですから,疼痛を伴わない場合であれば

麻痺側へ寝返ること

が有効な場合が多いです.

麻痺側を下にすることで

筋活動を求めることができます

また支持基底面として麻痺側を使用することができます

筋活動が伴うということはレセプターを活性化することにつながりますので

感覚が入りやすくなります

そのことが身体図式の形成に繋がっていくのです.

また寝返りは体軸の回旋要素が含まれますので

特に体幹を固定的に使用している場合

麻痺側への注意が向きにくい場合が多いです.

正中軸を決定するのは体幹でありますから

体幹と頭頚部が分離して動くこと

が視覚的注意の活性になると考えます.

よって

・体軸回旋

・麻痺側の使用を促す

ことが空間認知の拡大

注意障害の改善に貢献すると考えるのです.

ご理解頂けましたでしょうか?

注意障害+半側空間無視+深部感覚低下

は上記アプローチが抜群に効きます.

明日の臨床を変えていきましょう.

最後までお読みいただきありがとうございました♡

質問ありましたら,お問い合わせでお願いします!

では!

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